魔珠 第5章 インディゴ(6) 魔剣ヴィリジアン 忍者ブログ
オリジナルファンタジー小説『魔珠』を連載しています。 前作『ヴィリジアン』も公開しています。
Admin / Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「ああ。紹介しよう。姪のシャロンだ。アウルで会っただろう?」
「姪?」
「そう。私、叔父さんから剣の使い方教えてもらったの」
 そう言いながらシャロンが鞘に収まったままの剣を置く。
「それ……」
「そうだ。見たか? あの剣の力」
「あ、はい。いえ、あの、ヴァンパイアを、元どおりに?」
 しどろもどろな回答にクレサックは苦笑した。
「これは」
 クレサックが鞘から剣を抜く。
「ヴィリジアンだよ」
「ヴィリジアン? 魔剣……ヴィリジアン?」
 がたっとグレンが体を起こす。痛みが走ってすぐに倒れる。
「グレン、大丈夫か?」
「だい、じょうぶ。あの、ヴィリジアンってエリーの洞窟に封印されていた、あのヴィリジアンなんですか? どうして、ここに?」
「取りに行ったんだ」
「倒したんですか、ドラゴン?」
「大変だったぞ。三人がかりで」
 いたずらっぽくクレサックが笑う。
「ヴィリジアンは魔剣だ。魔剣はヴァンパイアの手に渡ると危険だ。だが、ヴィリジアンは少し特殊な魔剣だ。使い手を選ぶ。例えば私には使えない」
 クレサックはシャロンに剣を渡した。シャロンが両手で剣を受け取ると、剣にはめ込んである青緑色の宝石が光を帯びた。ついで刃が同じ青緑色に輝きだした。
「シャロンはヴィリジアンの使い手だ。ヴァンパイアの核はカーマナイトという石が原料だ。ヴァンパイアの牙にかかった人間はカーマナイトの成分によってヴァンパイア化する。そして、ヴィリジアンにはカーマナイトを中和する力がある」
「それでヴァンパイア化した人たちが元に戻る?」
「そういうことだ」
「テルウィングでヴィリジアンのことを知った」
 ウィンターが言った。
「それでゲートを通ってムーンホルンに来た。テルウィングにある町はほとんどヴァンパイア化してしまった。ヴィリジアンに懸けるしかないと思った。それにムーンホルンをテルウィングのようにするわけにはいかない。そんなときクレサックと出会った。クレサックなら信用できると思った。それに、クレサックのことを調べているうちに、大変好都合なことに気がついたんだ」

次回更新予定日:2015/12/26

ランキングに参加中です。よろしかったらポチッとお願いします。
にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説へ
にほんブログ村 創作ファンタジーリンク
PR
この記事にコメントする
Name :
Title :
Mail :
URL :
Color :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment :
Password :
HOME | 42  41  40  39  38  37  36  35  34  33  32 

忍者ブログ [PR]