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「ああ。紹介しよう。姪のシャロンだ。アウルで会っただろう?」
「姪?」
「そう。私、叔父さんから剣の使い方教えてもらったの」
そう言いながらシャロンが鞘に収まったままの剣を置く。
「それ……」
「そうだ。見たか? あの剣の力」
「あ、はい。いえ、あの、ヴァンパイアを、元どおりに?」
しどろもどろな回答にクレサックは苦笑した。
「これは」
クレサックが鞘から剣を抜く。
「ヴィリジアンだよ」
「ヴィリジアン? 魔剣……ヴィリジアン?」
がたっとグレンが体を起こす。痛みが走ってすぐに倒れる。
「グレン、大丈夫か?」
「だい、じょうぶ。あの、ヴィリジアンってエリーの洞窟に封印されていた、あのヴィリジアンなんですか? どうして、ここに?」
「取りに行ったんだ」
「倒したんですか、ドラゴン?」
「大変だったぞ。三人がかりで」
いたずらっぽくクレサックが笑う。
「ヴィリジアンは魔剣だ。魔剣はヴァンパイアの手に渡ると危険だ。だが、ヴィリジアンは少し特殊な魔剣だ。使い手を選ぶ。例えば私には使えない」
クレサックはシャロンに剣を渡した。シャロンが両手で剣を受け取ると、剣にはめ込んである青緑色の宝石が光を帯びた。ついで刃が同じ青緑色に輝きだした。
「シャロンはヴィリジアンの使い手だ。ヴァンパイアの核はカーマナイトという石が原料だ。ヴァンパイアの牙にかかった人間はカーマナイトの成分によってヴァンパイア化する。そして、ヴィリジアンにはカーマナイトを中和する力がある」
「それでヴァンパイア化した人たちが元に戻る?」
「そういうことだ」
「テルウィングでヴィリジアンのことを知った」
ウィンターが言った。
「それでゲートを通ってムーンホルンに来た。テルウィングにある町はほとんどヴァンパイア化してしまった。ヴィリジアンに懸けるしかないと思った。それにムーンホルンをテルウィングのようにするわけにはいかない。そんなときクレサックと出会った。クレサックなら信用できると思った。それに、クレサックのことを調べているうちに、大変好都合なことに気がついたんだ」
次回更新予定日:2015/12/26
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「姪?」
「そう。私、叔父さんから剣の使い方教えてもらったの」
そう言いながらシャロンが鞘に収まったままの剣を置く。
「それ……」
「そうだ。見たか? あの剣の力」
「あ、はい。いえ、あの、ヴァンパイアを、元どおりに?」
しどろもどろな回答にクレサックは苦笑した。
「これは」
クレサックが鞘から剣を抜く。
「ヴィリジアンだよ」
「ヴィリジアン? 魔剣……ヴィリジアン?」
がたっとグレンが体を起こす。痛みが走ってすぐに倒れる。
「グレン、大丈夫か?」
「だい、じょうぶ。あの、ヴィリジアンってエリーの洞窟に封印されていた、あのヴィリジアンなんですか? どうして、ここに?」
「取りに行ったんだ」
「倒したんですか、ドラゴン?」
「大変だったぞ。三人がかりで」
いたずらっぽくクレサックが笑う。
「ヴィリジアンは魔剣だ。魔剣はヴァンパイアの手に渡ると危険だ。だが、ヴィリジアンは少し特殊な魔剣だ。使い手を選ぶ。例えば私には使えない」
クレサックはシャロンに剣を渡した。シャロンが両手で剣を受け取ると、剣にはめ込んである青緑色の宝石が光を帯びた。ついで刃が同じ青緑色に輝きだした。
「シャロンはヴィリジアンの使い手だ。ヴァンパイアの核はカーマナイトという石が原料だ。ヴァンパイアの牙にかかった人間はカーマナイトの成分によってヴァンパイア化する。そして、ヴィリジアンにはカーマナイトを中和する力がある」
「それでヴァンパイア化した人たちが元に戻る?」
「そういうことだ」
「テルウィングでヴィリジアンのことを知った」
ウィンターが言った。
「それでゲートを通ってムーンホルンに来た。テルウィングにある町はほとんどヴァンパイア化してしまった。ヴィリジアンに懸けるしかないと思った。それにムーンホルンをテルウィングのようにするわけにはいかない。そんなときクレサックと出会った。クレサックなら信用できると思った。それに、クレサックのことを調べているうちに、大変好都合なことに気がついたんだ」
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