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「これ倒してもまた補充されるパターンですよね」
〈告知者〉を倒さない限りは、リンの言うとおりだ。
「集会室に行かないように私たちが足止めするから、先に行って」
「うん。分かった」
ソフィアに言い残して、グレンはエストルの方を向いた。
「行こう」
「また後で会おう」
ウィンターもそう言って、扉の前に立ち、剣を振るう。
グレンはうなずいて扉を開いた。ウィンターが魔獣を追い払ってくれている間にエストルと素速く廊下に出て扉を閉める。
長い廊下が眼前に広がる。
ここを抜ければ集会室だ。
「グレン」
エストルに声をかけられ、グレンは振り向く。すると、エストルは真っ直ぐ集会室の扉の方を力のある目でにらんでいた。
「私は必要であれば自らをなげうっても陛下をお助けしたい」
その言葉を聞いてグレンはエストルに負けない強い決意をその表情ににじませた。
「僕は何があっても必ず陛下とエストルを守るよ。君が自らをなげうつとしたら、それは僕が斃れてからだ」
グレンは優しい顔になって微笑んだ。
「国王や宰相を守るのは、王騎士の仕事だから。それに」
エストルの目をじっと見つめたままグレンは続けた。
「君は大切な友達だから。守りたいんだ。君も、君の大切な人も」
「ならば」
エストルはにやりと意地の悪い笑いを浮かべた。
「お前自身の身も守ってくれ。私の大切な友人なのだからな」
「うん。分かってる」
まだここで終わってはいけない。ここでセレストを救出できても上級ヴァンパイアたちを全滅させることができても、ムーンホルン各地にヴァンパイア化したままの人たちがさまよっている。ヴィリジアンの使い手としてまだなすべきことがある。
「よし、行こう」
目の前に見える扉に向かって二人は走り出した。
次回更新予定日:2018/02/17
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〈告知者〉を倒さない限りは、リンの言うとおりだ。
「集会室に行かないように私たちが足止めするから、先に行って」
「うん。分かった」
ソフィアに言い残して、グレンはエストルの方を向いた。
「行こう」
「また後で会おう」
ウィンターもそう言って、扉の前に立ち、剣を振るう。
グレンはうなずいて扉を開いた。ウィンターが魔獣を追い払ってくれている間にエストルと素速く廊下に出て扉を閉める。
長い廊下が眼前に広がる。
ここを抜ければ集会室だ。
「グレン」
エストルに声をかけられ、グレンは振り向く。すると、エストルは真っ直ぐ集会室の扉の方を力のある目でにらんでいた。
「私は必要であれば自らをなげうっても陛下をお助けしたい」
その言葉を聞いてグレンはエストルに負けない強い決意をその表情ににじませた。
「僕は何があっても必ず陛下とエストルを守るよ。君が自らをなげうつとしたら、それは僕が斃れてからだ」
グレンは優しい顔になって微笑んだ。
「国王や宰相を守るのは、王騎士の仕事だから。それに」
エストルの目をじっと見つめたままグレンは続けた。
「君は大切な友達だから。守りたいんだ。君も、君の大切な人も」
「ならば」
エストルはにやりと意地の悪い笑いを浮かべた。
「お前自身の身も守ってくれ。私の大切な友人なのだからな」
「うん。分かってる」
まだここで終わってはいけない。ここでセレストを救出できても上級ヴァンパイアたちを全滅させることができても、ムーンホルン各地にヴァンパイア化したままの人たちがさまよっている。ヴィリジアンの使い手としてまだなすべきことがある。
「よし、行こう」
目の前に見える扉に向かって二人は走り出した。
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