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「やはり集会室に陛下と〈告知者〉とともにいる可能性が高いな。最初に戦うことになるのは、ソードになりそうだな」
エストルの言葉にグレンとソフィアが険しい表情をする。ソードがどれほど強いのかは同じ王騎士の仲間だった二人がいちばんよく知っている。しばらく全員黙ってそれぞれ心の整理をする。
「ねえ、ソフィア」
いちばん最初に口を開いたのはグレンだった。
「ヴァンパイアは全員僕に任せてもらえないかな」
つまりグレン以外に襲いかかってくるヴァンパイアは全て斬らずに避けろということだ。エストルの予想するように限られた広さの空間で大量のヴァンパイアと魔獣が入り交じった状態で魔獣だけを倒しながら、追ってくるヴァンパイアから身をかわし続けるというのは、なかなかの至難の業だ。だが、ヴァンパイアが神官だったら、浄化して意識が戻ったとき、有益な情報を聞くことができる可能性も高い。そして、何よりもそれだけ犠牲が少なくなる。
「リン、減速の呪文は効くかしら?」
ソフィアが後ろに控えていたリンに問いかける。
「極端に速度を落とすことはできませんが、多少なら」
「では、よろしく頼むわ」
振り返って微笑むと、その笑顔のままソフィアはグレンの方を向いた。
「魔獣は私たちに任せて」
「ありがとう、ソフィア」
「魔獣狩りか」
少年のようなきらきらした目でエストルがつぶやく。口元には微笑を浮かべている。
「なんでエストル宰相になったんだろう」
「ああ。気の毒だとだけ言っておこう」
グレンとウィンターがこそこそと声を潜めて話していると、後ろからソフィアが手加減せずに背中をどんっと叩く。
「二人とも、準備はいい?」
「うん。行こう」
前のめりになった姿勢を立て直してグレンは答えた。
次回更新予定日:2018/01/27
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エストルの言葉にグレンとソフィアが険しい表情をする。ソードがどれほど強いのかは同じ王騎士の仲間だった二人がいちばんよく知っている。しばらく全員黙ってそれぞれ心の整理をする。
「ねえ、ソフィア」
いちばん最初に口を開いたのはグレンだった。
「ヴァンパイアは全員僕に任せてもらえないかな」
つまりグレン以外に襲いかかってくるヴァンパイアは全て斬らずに避けろということだ。エストルの予想するように限られた広さの空間で大量のヴァンパイアと魔獣が入り交じった状態で魔獣だけを倒しながら、追ってくるヴァンパイアから身をかわし続けるというのは、なかなかの至難の業だ。だが、ヴァンパイアが神官だったら、浄化して意識が戻ったとき、有益な情報を聞くことができる可能性も高い。そして、何よりもそれだけ犠牲が少なくなる。
「リン、減速の呪文は効くかしら?」
ソフィアが後ろに控えていたリンに問いかける。
「極端に速度を落とすことはできませんが、多少なら」
「では、よろしく頼むわ」
振り返って微笑むと、その笑顔のままソフィアはグレンの方を向いた。
「魔獣は私たちに任せて」
「ありがとう、ソフィア」
「魔獣狩りか」
少年のようなきらきらした目でエストルがつぶやく。口元には微笑を浮かべている。
「なんでエストル宰相になったんだろう」
「ああ。気の毒だとだけ言っておこう」
グレンとウィンターがこそこそと声を潜めて話していると、後ろからソフィアが手加減せずに背中をどんっと叩く。
「二人とも、準備はいい?」
「うん。行こう」
前のめりになった姿勢を立て直してグレンは答えた。
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