×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「ご一緒させてもらっても構わないかな?」
「いいよね?」
グレンは振り返ってソフィアに聞く。
「もちろんよ」
「では、失礼させてもらうよ」
グレンはウィンターに空いていた椅子を勧めた。その足でグラスを一つ取ってきてウィンターの前に置くと、そこにも酒を注いだ。
「ありがとう」
ウィンターに微笑んで、グレンは自分の席に着こうとした。
「ソフィア?」
涙ぐんでいる。グレンは一瞬驚いたが、すぐにその理由に思い至った。
「ごめんなさい。なんか急に思い出しちゃって」
「そうだね」
グレンは優しくうなずいて席に着いた。
「城に揃うと、ソードと三人でよくこうして飲んだね」
「そう。ソードあまり話はしなかったけど、お酒は好きだった」
口元には穏やかな笑みを浮かべていたが、涙が止まらなかった。
「そうか」
ソフィアの涙を見てウィンターは寂しそうに笑った。
「私は、ソードのこと、何も知らないんだな」
「ごめんなさい。悲しいの、私だけじゃないのに。でも、大切な仲間だったの」
「ソードは王騎士として君たちと過ごせて、幸せだったと思う。きっと君たちといるときが唯一心安まる時間だったのだと思う。良かったら、もっと聞かせてくれないか? ここに来てからのソードのこと」
ウィンターはグレンとソフィアが語る思い出の一語一語に耳を傾けた。
「遅くなっちゃったわね。私はそろそろ失礼するわ」
どれほどの時間が経っただろうか。話が尽きると、ソフィアが席を立った。
「おやすみなさい」
グレンがソフィアを送ってドアを開けると、そこには少し驚いたような表情のエストルが立っていた。急に目の前でドアが開くとは思っていなかったのだろう。
「エストル様」
ソフィアも一瞬驚いたようだったが、すぐににっこり笑って挨拶を交わし、部屋を出ていった。
「ウィンターも来ていたのだな。ちょうどいい」
エストルは慣れた動作で空いている席に座った。グレンが慌ててソフィアのグラスを下げ、代わりにエストルの前に新しいグラスを置いて酒を注ぐ。
次回更新予定日:2018/06/23
ランキングに参加中です。よろしかったらポチッとお願いします。
にほんブログ村
「いいよね?」
グレンは振り返ってソフィアに聞く。
「もちろんよ」
「では、失礼させてもらうよ」
グレンはウィンターに空いていた椅子を勧めた。その足でグラスを一つ取ってきてウィンターの前に置くと、そこにも酒を注いだ。
「ありがとう」
ウィンターに微笑んで、グレンは自分の席に着こうとした。
「ソフィア?」
涙ぐんでいる。グレンは一瞬驚いたが、すぐにその理由に思い至った。
「ごめんなさい。なんか急に思い出しちゃって」
「そうだね」
グレンは優しくうなずいて席に着いた。
「城に揃うと、ソードと三人でよくこうして飲んだね」
「そう。ソードあまり話はしなかったけど、お酒は好きだった」
口元には穏やかな笑みを浮かべていたが、涙が止まらなかった。
「そうか」
ソフィアの涙を見てウィンターは寂しそうに笑った。
「私は、ソードのこと、何も知らないんだな」
「ごめんなさい。悲しいの、私だけじゃないのに。でも、大切な仲間だったの」
「ソードは王騎士として君たちと過ごせて、幸せだったと思う。きっと君たちといるときが唯一心安まる時間だったのだと思う。良かったら、もっと聞かせてくれないか? ここに来てからのソードのこと」
ウィンターはグレンとソフィアが語る思い出の一語一語に耳を傾けた。
「遅くなっちゃったわね。私はそろそろ失礼するわ」
どれほどの時間が経っただろうか。話が尽きると、ソフィアが席を立った。
「おやすみなさい」
グレンがソフィアを送ってドアを開けると、そこには少し驚いたような表情のエストルが立っていた。急に目の前でドアが開くとは思っていなかったのだろう。
「エストル様」
ソフィアも一瞬驚いたようだったが、すぐににっこり笑って挨拶を交わし、部屋を出ていった。
「ウィンターも来ていたのだな。ちょうどいい」
エストルは慣れた動作で空いている席に座った。グレンが慌ててソフィアのグラスを下げ、代わりにエストルの前に新しいグラスを置いて酒を注ぐ。
次回更新予定日:2018/06/23
ランキングに参加中です。よろしかったらポチッとお願いします。
にほんブログ村
PR
この記事にコメントする
プロフィール
HN:
千月志保
性別:
非公開
カテゴリー
最新記事
(02/20)
(02/13)
(02/06)
(01/30)
(01/23)
P R
フリーエリア