魔珠 最終章 ゲート(1) 封印 忍者ブログ
オリジナルファンタジー小説『魔珠』を連載しています。 前作『ヴィリジアン』も公開しています。
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幸い小型の鳥型の魔獣が数匹襲ってきただけで、道中あまり危険なこともなかった。
 霧は消え、雲の隙間から光が差していた。
 橋のど真ん中に石版が鎮座していた。刻まれているのは古代文字だろうか。その向こうは円形の舞台のようになっていた。青い光を放っている。そこが先端で、周りにはもう海しか見えない。
「これが……ゲート」
 初めてゲートを見たグレンがつぶやく。これが唯一ムーンホルンとテルウィングとをつなぐ装置だ。
「ウィンター、まだ帰らないな?」
 セレストが念のため確認する。
「はい。ロソーに戻ってもう一度皆さんと今後のことを相談させていただきたいので」
「では、そのような機会を設けよう。封印をする」
 セレストが石版に手を置く。石版が装置と同じ青い光を帯びた。装置の光が消え、水色の結界に装置が覆われる。
「以降、私の許可を得た者のみが通行できるようになる。また、通行が認められていない者でも、結界越しに話をすることができる」
「では、以前のように見張りの者を二人つけましょう」
 いちばん後方にいた二人の神官が結界の前に立つ。剣を携帯している。
「ひとまずこれで魔獣が来なくなりますね」
 エストルが少しほっとしたような表情になる。
「では、一晩休ませてもらってロソーに戻りましょう」
「お好きな客室を使ってください。まだばたばたしておりますが、必要なことがあれば、遠慮なくお申しつけください」
 グレンもほっと息をついた。エストルと神官長の会話を聞いてやっと張り詰めていた緊張の糸がほどける。こうして立っていられるのはヴィリジアンの魔力のおかげで、もう自身の魔力はとっくに底をついている。早く充分な休息を取らなければならない。

 ロソーに戻った夜、グレンは部屋にソフィアを招いて酒を飲みながら話をしていた。
「そうだったの。ソード、そんな大切な妹さんを失って」
 ソードの最期、エルのこと。聞いてもらいたい話はいくらでもあった。
 ソフィアが重いため息をつくと、ドアをノックする音が聞こえた。
「グレン、いるか? ウィンターだ」
 グレンはゆっくりと立ち上がってドアの方に向かった。ドアを開けると、ウィンターが穏やかな笑顔を浮かべて立っていた。
「時間が空いていたら、話し相手になってもらえないか?」
「今、ソフィアも来ているんだ」

次回更新予定日:2018/06/16

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