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ヴァンパイア討伐から戻ったクレサックは待機中だった。その日の午後、次の任務を命じられる予定だった。少し体を動かそうと訓練場に向かっている途中、デュランと会った。
「将軍、久しぶりに相手していただけませんか?」
「ちょうどいい。私も一汗かこうと思っていたところだ」
クレサックはデュランと雑談を交わしながら訓練場を目指した。
訓練場に着くと、多くの上級兵士たちがクレサックを待っていた。
「よろしくお願いします」
上級兵士たちは口々に言った。
クレサックは剣を構えた。
「よし。順番にかかってこい。一撃ずつだ。跳ね飛ばされたら次の者と交代だ」
果敢に兵士たちはクレサックに向かっていった。だが、クレサックの力は圧倒的で、ほとんどの兵士が剣の接触した瞬間はねのけられ、粘れた者でもほんの二、三秒だった。
ところが。
突然、腕に痺れが走るくらい重い一撃がクレサックを襲った。受け止めてはみたものの、払いのけることができない。驚いて顔を見て、さらに驚く。
青みがかった不思議な緑色の瞳。
気を取られたような気がして、手に力を入れ直す。完全に力が拮抗したまま時間が過ぎる。これでは事態が打開できない。クレサックは一瞬だけほんのわずかに剣先を退いた。そして、そのまま大きく剣を振った。風が起きて、その兵士の前髪をなびかせた。兵士はバランスを崩すことなく、さっと後ろに下がって次の兵士に順番を譲った。
一通り終わると、クレサックはその緑色の瞳の兵士を探した。
「見たことのない顔だな」
「はい。まだ上級兵士になって日が浅いので」
謙虚だが堂々としている。クレサックは緑色の瞳を真っ直ぐ見て尋ねた。
「名は?」
「グレンと申します」
すると、クレサックは再び剣を握る手に力を入れて微笑んだ。
「グレンか。なかなかの実力と見た。手合わせ願おう」
「お願いします」
グレンは頭を下げると、クレサックと距離を取った。
「魔法が飛ぶかもしれん。他の者は下がって見てろ」
次回更新予定日:2017/03/18
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「将軍、久しぶりに相手していただけませんか?」
「ちょうどいい。私も一汗かこうと思っていたところだ」
クレサックはデュランと雑談を交わしながら訓練場を目指した。
訓練場に着くと、多くの上級兵士たちがクレサックを待っていた。
「よろしくお願いします」
上級兵士たちは口々に言った。
クレサックは剣を構えた。
「よし。順番にかかってこい。一撃ずつだ。跳ね飛ばされたら次の者と交代だ」
果敢に兵士たちはクレサックに向かっていった。だが、クレサックの力は圧倒的で、ほとんどの兵士が剣の接触した瞬間はねのけられ、粘れた者でもほんの二、三秒だった。
ところが。
突然、腕に痺れが走るくらい重い一撃がクレサックを襲った。受け止めてはみたものの、払いのけることができない。驚いて顔を見て、さらに驚く。
青みがかった不思議な緑色の瞳。
気を取られたような気がして、手に力を入れ直す。完全に力が拮抗したまま時間が過ぎる。これでは事態が打開できない。クレサックは一瞬だけほんのわずかに剣先を退いた。そして、そのまま大きく剣を振った。風が起きて、その兵士の前髪をなびかせた。兵士はバランスを崩すことなく、さっと後ろに下がって次の兵士に順番を譲った。
一通り終わると、クレサックはその緑色の瞳の兵士を探した。
「見たことのない顔だな」
「はい。まだ上級兵士になって日が浅いので」
謙虚だが堂々としている。クレサックは緑色の瞳を真っ直ぐ見て尋ねた。
「名は?」
「グレンと申します」
すると、クレサックは再び剣を握る手に力を入れて微笑んだ。
「グレンか。なかなかの実力と見た。手合わせ願おう」
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グレンは頭を下げると、クレサックと距離を取った。
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