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アレアから帰って半月が過ぎた。
いつものように剣の素振りをして部屋に戻った。机に手紙が届いていた。宛名はスイになっているが、住所などは記されていない。スイは封筒を開けた。やはりメノウからだ。住所が書かれていないということは、忍びの者が直接ここに届けたということだろう。
スイは手紙を一読した。そして、同封されていた二枚の紙を見た。二枚とも見取り図だった。一方は魔術研究所の見取り図、もう一方は王城の見取り図だった。
スイは王城の見取り図を見てあったお声を上げた。
急いで上着を羽織りながらスイは階段を下りた。
「シェリス」
声をかけると、すぐにシェリスが階段の方に歩いてきた。
「急用ができた。キリトの家に行ってくる」
「かしこまりました。気をつけていってらっしゃいませ」
すっと扉を開け、スイを見送る。
スイは早足でキリトの私邸に向かった。
スイはキリトの部屋に案内された。
「なんだ、こんな朝早くから」
迎えたキリトはまだ部屋着で髪もぼさぼさだ。
「悪い。メノウから手紙が来て」
「ああ。尾行者捕まえたときに約束していた、例の情報ってやつ?」
そこまで口にしてキリトははっとなった。眠気が一気に覚める。スイがわざわざ出勤前にここに来たということは。
「何か一刻を争うような情報があったのか?」
訊かれてスイは渋い表情になった。
「もちろん……傍観するという手もあるのだが」
「事情を話してみろ」
続く言葉が出にくそうになっていたスイに助け船を出してみる。スイは少しだけ安堵した表情になり、話を切り出した。
「これが、メノウからの手紙だ」
差し出されたということは読んでも構わないということなのだろう。キリトは手紙を読み始めた。
「尾行者の名前はリーシャ。マーラル軍工作部隊の所属だ」
そろそろ読み終わるだろうと予測してスイが早めに切り出す。
「やはりマーラルは魔術研究所を拡張して兵器を開発していたんだな」
キリトは添えられていた紙の方を確認し始めた。
「城と魔術研究所の見取り図。使うかどうかはともかく。これもなかなか貴重な情報ではある。協力した甲斐はあったな。ところで」
キリトは眉をひそめた。
次回更新予定日:2018/12/29
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スイは手紙を一読した。そして、同封されていた二枚の紙を見た。二枚とも見取り図だった。一方は魔術研究所の見取り図、もう一方は王城の見取り図だった。
スイは王城の見取り図を見てあったお声を上げた。
急いで上着を羽織りながらスイは階段を下りた。
「シェリス」
声をかけると、すぐにシェリスが階段の方に歩いてきた。
「急用ができた。キリトの家に行ってくる」
「かしこまりました。気をつけていってらっしゃいませ」
すっと扉を開け、スイを見送る。
スイは早足でキリトの私邸に向かった。
スイはキリトの部屋に案内された。
「なんだ、こんな朝早くから」
迎えたキリトはまだ部屋着で髪もぼさぼさだ。
「悪い。メノウから手紙が来て」
「ああ。尾行者捕まえたときに約束していた、例の情報ってやつ?」
そこまで口にしてキリトははっとなった。眠気が一気に覚める。スイがわざわざ出勤前にここに来たということは。
「何か一刻を争うような情報があったのか?」
訊かれてスイは渋い表情になった。
「もちろん……傍観するという手もあるのだが」
「事情を話してみろ」
続く言葉が出にくそうになっていたスイに助け船を出してみる。スイは少しだけ安堵した表情になり、話を切り出した。
「これが、メノウからの手紙だ」
差し出されたということは読んでも構わないということなのだろう。キリトは手紙を読み始めた。
「尾行者の名前はリーシャ。マーラル軍工作部隊の所属だ」
そろそろ読み終わるだろうと予測してスイが早めに切り出す。
「やはりマーラルは魔術研究所を拡張して兵器を開発していたんだな」
キリトは添えられていた紙の方を確認し始めた。
「城と魔術研究所の見取り図。使うかどうかはともかく。これもなかなか貴重な情報ではある。協力した甲斐はあったな。ところで」
キリトは眉をひそめた。
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