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「何、これ?」
弱々しいかすれ声でグレンが呟く。
「今研究中の古代魔法だ。体の中にもびっしり根が張っていてお前の生気を吸収していく」
どうすればいいのだろう。
グレンは漂っていってしまいそうになる意識を必死になって食い止めながら考えた。
「核、みたいなものが、ある?」
体の中のどこかにある。でも、どこに。
「早く探し出さないと体が粉々になる」
ソードは冷静な口調で言った。
グレンは集中しようとした。だが、集中できたと思った瞬間、激痛に襲われ、頭の中が真っ白になる。
「探し、出さないと」
ありったけの力を振り絞って魔力で痛みを封じる。自分の魔力とソードの魔力が体内で交差して混沌とし、ますます核の場所がつかみにくくなる。
いったいどこに。
痛覚を完全に封じ、全神経を集中させる。グレンは胸に異質なものを感じ取った。
「あった」
持てる全ての魔力を注ぎ込んだ。
胸で何かが割れるような音がした。核は粉々になって砕け散り、跡形もなく消えた。
力尽きて落下してきたグレンをソードは両腕にしっかりと抱き留めた。
「このくらいにしておこうか」
ソードの低い声が心地よく通り抜けていく。
「ちょっと、待って」
グレンはソードに手伝ってもらいながら、体を起こした。そして、すぐにソードの胸に手を当てた。柔らかい光がグレンの手から溢れる。
「お前、まだそんな力が残っていたのか?」
頷く代わりにグレンは手当てを続けながら優しく笑って返した。
「私はいい。お前の体を先に治療しろ」
「大丈夫だよ」
ソードの傷口はあっという間に塞がった。
「私のを使え」
ソードは左手でグレンの右手を握ってグレンの胸に当てた。強い魔力が流れてくる。大きな光がグレンの全身を包み込む。
「ありがとう」
まだ痛むところはあるが、かなり回復したようだ。
次回更新予定日:2016/04/23
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弱々しいかすれ声でグレンが呟く。
「今研究中の古代魔法だ。体の中にもびっしり根が張っていてお前の生気を吸収していく」
どうすればいいのだろう。
グレンは漂っていってしまいそうになる意識を必死になって食い止めながら考えた。
「核、みたいなものが、ある?」
体の中のどこかにある。でも、どこに。
「早く探し出さないと体が粉々になる」
ソードは冷静な口調で言った。
グレンは集中しようとした。だが、集中できたと思った瞬間、激痛に襲われ、頭の中が真っ白になる。
「探し、出さないと」
ありったけの力を振り絞って魔力で痛みを封じる。自分の魔力とソードの魔力が体内で交差して混沌とし、ますます核の場所がつかみにくくなる。
いったいどこに。
痛覚を完全に封じ、全神経を集中させる。グレンは胸に異質なものを感じ取った。
「あった」
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胸で何かが割れるような音がした。核は粉々になって砕け散り、跡形もなく消えた。
力尽きて落下してきたグレンをソードは両腕にしっかりと抱き留めた。
「このくらいにしておこうか」
ソードの低い声が心地よく通り抜けていく。
「ちょっと、待って」
グレンはソードに手伝ってもらいながら、体を起こした。そして、すぐにソードの胸に手を当てた。柔らかい光がグレンの手から溢れる。
「お前、まだそんな力が残っていたのか?」
頷く代わりにグレンは手当てを続けながら優しく笑って返した。
「私はいい。お前の体を先に治療しろ」
「大丈夫だよ」
ソードの傷口はあっという間に塞がった。
「私のを使え」
ソードは左手でグレンの右手を握ってグレンの胸に当てた。強い魔力が流れてくる。大きな光がグレンの全身を包み込む。
「ありがとう」
まだ痛むところはあるが、かなり回復したようだ。
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