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「えっ?」
驚きで言葉が出なくなる。
「誰にも、気づかれなかった。何ともなかったから」
「そんなことも、あるの?」
ヴァンパイアに吸血されたら、死ぬかヴァンパイアになるかのいずれかと思っていた。ヴァンパイアになる人が圧倒的に多い。
「時と場合によるのかもしれない。どのクラスのヴァンパイアに噛まれたかとか、あとは噛まれた人間の個体差とかも関係するのかもしれない」
よく分からないことだらけだ。だが、確かにどのような人が即死し、どのような人がヴァンパイアにあるのかは分からなくても、時と場合によって結果が分かれるということは事実だ。
「グレン。もし何か体に異変を感じたらまずは私に相談してくれないか? お前も、噛まれたことはよく考えてから話した方がいいと思う」
「うん。そうだね。そうする。ありがとう、ソード」
しばらく休んで体力が戻ると、二人は町を離れた。
その帰り道の森を歩いている途中だった。
「ソード」
「どうかしたか、グレン?」
「……吸いたい」
「何?」
「吸いたい」
ソードが足を止めて、グレンの緑色の瞳を見つめる。その瞳は虚ろだった。
「そうか」
事態を理解するのに時間はそうかからなかった。
ソードは顔を少し上げてグレンに言った。
「吸え」
「えっ?」
驚きでグレンは我に返る。
「私なら吸われても大丈夫だから」
「うん」
結局欲求に勝てず、グレンは迷わずソードの首筋に唇を寄せた。
「うっ」
ソードのかすかな呻き声も聞こえないくらい夢中になって血をすすった。とても心地よい。何だか落ち着く。だが、すすり終わると、急に虚無感と恐怖感が襲ってきて涙が溢れてきた。
「ソード……どうしよう……」
胸に顔を埋めて泣くグレンをソードはそっと抱きしめた。
「いいか。吸いたくなったらいくらでも私が吸わせてやる。だから、絶対に他の人にその牙をむくな」
顔を埋めたまま、グレンはうなずいた。
次回更新予定日:2015/07/11
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「誰にも、気づかれなかった。何ともなかったから」
「そんなことも、あるの?」
ヴァンパイアに吸血されたら、死ぬかヴァンパイアになるかのいずれかと思っていた。ヴァンパイアになる人が圧倒的に多い。
「時と場合によるのかもしれない。どのクラスのヴァンパイアに噛まれたかとか、あとは噛まれた人間の個体差とかも関係するのかもしれない」
よく分からないことだらけだ。だが、確かにどのような人が即死し、どのような人がヴァンパイアにあるのかは分からなくても、時と場合によって結果が分かれるということは事実だ。
「グレン。もし何か体に異変を感じたらまずは私に相談してくれないか? お前も、噛まれたことはよく考えてから話した方がいいと思う」
「うん。そうだね。そうする。ありがとう、ソード」
しばらく休んで体力が戻ると、二人は町を離れた。
その帰り道の森を歩いている途中だった。
「ソード」
「どうかしたか、グレン?」
「……吸いたい」
「何?」
「吸いたい」
ソードが足を止めて、グレンの緑色の瞳を見つめる。その瞳は虚ろだった。
「そうか」
事態を理解するのに時間はそうかからなかった。
ソードは顔を少し上げてグレンに言った。
「吸え」
「えっ?」
驚きでグレンは我に返る。
「私なら吸われても大丈夫だから」
「うん」
結局欲求に勝てず、グレンは迷わずソードの首筋に唇を寄せた。
「うっ」
ソードのかすかな呻き声も聞こえないくらい夢中になって血をすすった。とても心地よい。何だか落ち着く。だが、すすり終わると、急に虚無感と恐怖感が襲ってきて涙が溢れてきた。
「ソード……どうしよう……」
胸に顔を埋めて泣くグレンをソードはそっと抱きしめた。
「いいか。吸いたくなったらいくらでも私が吸わせてやる。だから、絶対に他の人にその牙をむくな」
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