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「グレン。気がついたか?」
緑色の瞳を開くと、知っている顔がぼうっと映る。
「グレン、私が分かるか?」
まだ思考回路がうまく働いていない。
「あ、僕……」
生きている。しかも意識もある。ヴァンパイアに血を吸われたはずなのに。
ソードが何も言わずにじっと顔を見つめながらグレンの手を取る。いつもは涼しい眼差しが心配そうにグレンを見ている。
「……ソード?」
「良かった。分かるのだな」
「ヴァンパイアは?」
不意に思い出してソードに聞く。
「逃げられた。大技を喰らわせて追い返すだけで精一杯だった」
「追い返した? ヴァンパイアを?」
やはりソードの実力は王騎士の中でも飛び抜けている。あのヴァンパイアを追い返したなんて。全く歯が立たなかったのに。
「その……何ともないのか?」
ソードがグレンに尋ねる。
「たぶん。今のところは何ともないみたい」
「そうか……」
「でも、ヴァンパイアに噛まれて何ともないなんてことあるのかな」
「それは……」
ソードはちょっと考えて決心したように口を開く。
「グレン」
「何?」
「これから話すことは、他の誰にも言わないで欲しい」
「言わないで、って……」
「いや、言っても支障はないのかもしれないが……ちょっと話してもいいものかどうかずっと迷っていることなんだ。だから、私が話すと決めるまで、他の人には話さないと約束してくれないか?」
「……分かった」
釈然としないものを感じながらもグレンは約束する。ソードはうなずいて話を切り出した。
「私も……小さい頃……ヴァンパイアに吸血されたことがあるのだ」
次回更新予定日:2015/07/04
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「グレン、私が分かるか?」
まだ思考回路がうまく働いていない。
「あ、僕……」
生きている。しかも意識もある。ヴァンパイアに血を吸われたはずなのに。
ソードが何も言わずにじっと顔を見つめながらグレンの手を取る。いつもは涼しい眼差しが心配そうにグレンを見ている。
「……ソード?」
「良かった。分かるのだな」
「ヴァンパイアは?」
不意に思い出してソードに聞く。
「逃げられた。大技を喰らわせて追い返すだけで精一杯だった」
「追い返した? ヴァンパイアを?」
やはりソードの実力は王騎士の中でも飛び抜けている。あのヴァンパイアを追い返したなんて。全く歯が立たなかったのに。
「その……何ともないのか?」
ソードがグレンに尋ねる。
「たぶん。今のところは何ともないみたい」
「そうか……」
「でも、ヴァンパイアに噛まれて何ともないなんてことあるのかな」
「それは……」
ソードはちょっと考えて決心したように口を開く。
「グレン」
「何?」
「これから話すことは、他の誰にも言わないで欲しい」
「言わないで、って……」
「いや、言っても支障はないのかもしれないが……ちょっと話してもいいものかどうかずっと迷っていることなんだ。だから、私が話すと決めるまで、他の人には話さないと約束してくれないか?」
「……分かった」
釈然としないものを感じながらもグレンは約束する。ソードはうなずいて話を切り出した。
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