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グレンが言うと、ウィンターは意地の悪い笑みを浮かべた。
「お前は強すぎる。私では相手にならないだろう」
「だったら、僕が鍛えてあげるってことで。それでいいでしょ」
「悪くないな。では、先にエストルと一戦交えてから、グレンと鍛錬することにしよう」
あまりにも食い下がってくるグレンに苦笑いしながらウィンターは了承した。
「あまり本気になってヴィリジアンに使う魔力がないとか言うなよ」
「ああ、そっか。そうだった」
大事なことを思い出してグレンは少し考えた。ヴィリジアンにはどれほどの魔力が必要だろう。あれだけ高度な結晶を再現するとなると――そう考えると、やはり魔力は少しでも温存しておいた方が良いような気がしてきた。
「やっぱり明日は我慢する」
すると、ウィンターも賛成した。
「そうだな。それがいい。お前は別に早朝でなくてもいつ鍛錬しても良いのだから、ヴィリジアンのことが終わって体力が余っていたらでもいいし、いつでもいいだろう」
「やはり、それくらい魔力を使うということか?」
少し心配そうにエストルは尋ねる。
「分からないけど、僕はそれなりの量の魔力を要求されると思っている」
何となく予測してはいたが、またグレンに難しい仕事を押しつけてしまったのかと思うと、必要だと分かっていても心苦しくなった。それを察したかのようにグレンは声をかける。
「やらせて、エストル。これは僕の望みでもあるんだ」
「ああ。分かっている。分かっているさ」
いつも難しい仕事を押しつけている。だが、それはグレンにしかできない。信頼できるグレンだからこそ頼める。
「よし、やろう」
「ありがとう、エストル」
こうやって信頼してもらえるのがグレンは何より嬉しかった。
「じゃあ、僕は明日の手合わせは見学で。ウィンター、明日の朝は僕が迎えに行くよ」
「分かった。待っている」
その後も少し雑談をして夜が更けてくると、それぞれ次の朝の手合わせに備えて部屋に戻った。
グレンは横になってこんなに疲れていたのかと驚いた。だが、体はもうすっかり軽くなって、心地よい疲れになっていた。グレンは目を閉じると、すぐに眠りについた。
次回更新予定日:2017/08/05
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「お前は強すぎる。私では相手にならないだろう」
「だったら、僕が鍛えてあげるってことで。それでいいでしょ」
「悪くないな。では、先にエストルと一戦交えてから、グレンと鍛錬することにしよう」
あまりにも食い下がってくるグレンに苦笑いしながらウィンターは了承した。
「あまり本気になってヴィリジアンに使う魔力がないとか言うなよ」
「ああ、そっか。そうだった」
大事なことを思い出してグレンは少し考えた。ヴィリジアンにはどれほどの魔力が必要だろう。あれだけ高度な結晶を再現するとなると――そう考えると、やはり魔力は少しでも温存しておいた方が良いような気がしてきた。
「やっぱり明日は我慢する」
すると、ウィンターも賛成した。
「そうだな。それがいい。お前は別に早朝でなくてもいつ鍛錬しても良いのだから、ヴィリジアンのことが終わって体力が余っていたらでもいいし、いつでもいいだろう」
「やはり、それくらい魔力を使うということか?」
少し心配そうにエストルは尋ねる。
「分からないけど、僕はそれなりの量の魔力を要求されると思っている」
何となく予測してはいたが、またグレンに難しい仕事を押しつけてしまったのかと思うと、必要だと分かっていても心苦しくなった。それを察したかのようにグレンは声をかける。
「やらせて、エストル。これは僕の望みでもあるんだ」
「ああ。分かっている。分かっているさ」
いつも難しい仕事を押しつけている。だが、それはグレンにしかできない。信頼できるグレンだからこそ頼める。
「よし、やろう」
「ありがとう、エストル」
こうやって信頼してもらえるのがグレンは何より嬉しかった。
「じゃあ、僕は明日の手合わせは見学で。ウィンター、明日の朝は僕が迎えに行くよ」
「分かった。待っている」
その後も少し雑談をして夜が更けてくると、それぞれ次の朝の手合わせに備えて部屋に戻った。
グレンは横になってこんなに疲れていたのかと驚いた。だが、体はもうすっかり軽くなって、心地よい疲れになっていた。グレンは目を閉じると、すぐに眠りについた。
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