ヴィリジアン 第14章 パイヤン(5) リンとルイ 忍者ブログ
オリジナルファンタジー小説『ヴィリジアン』を連載しています。
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「ルイに決まってるだろ」
 言いながら指から閃光を放つ。リンはとっさに避けた。だが、次から次へと閃光が飛んでくる。
「ルイなわけないでしょ」
 全て正確に交わしながらリンは返す。
「だったら」
 攻撃が止まった。
「なんで僕に攻撃をしないの?」
 気がつくと、目の前にルイの姿をしたものがリンの喉元に剣を突きつけている。いつの間にここまで移動したのだろう。
「それは……」
 痛いところを突かれてリンは歯を食い縛る。
「終わりだ」
 どうにか避けられないかと考えたが、体が動かない。強い魔力で呪縛されている。間に合いそうもないが、とにかく解除を試みる。そのときだった。鈍い音がしてリンは目を見開く。
「大丈夫、リン?」
 目の前でぱっとルイの姿をしたものが消滅した。そして、その後ろには剣を持ったルイが立っていた。ルイは自分と同じ姿をしていたものを刺した剣を鞘に収め、リンを呪縛している魔術を解除した。
「ありがとう、ルイ。助かった」
 ほっと安堵の溜息をつきながら、リンは立ち上がった。
「相手は幻術を使うみたいだね。僕たちを異空間に引きずり込んで各個撃破できるように散り散りにしたんだろう」
「みんなを探さないと」
 リンは辺りを見回した。辺りは先ほど目覚めたときと同じようにただ赤黒く歪んだ空間があるだけだ。境界がなく、どこまで続いているのかも、だいたい自分がどこに立っているのかさえよく分からない。
「どうやって私を見つけた?」
 リンが聞いた。
「魔力が感じられる方向をたどるしかない。でも、いろんな方向から魔力を感じるから、誰か一人の魔力に絞ってその魔力を追うんだ。
「一人の、魔力?」
「とりあえずソフィア将軍を探して合流しよう」
「分かった」
 リンは集中してソフィアの魔力だけを探した。
「こっちだ」
「うん」
 ルイの示した方向にリンもソフィアの魔力をかすかに感じてうなずいた。
 二人は歪んだ空間の中を走り出した。

次回更新予定日:2017/11/04

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