ヴィリジアン 第11章 真相(2) 会議開始 忍者ブログ
オリジナルファンタジー小説『ヴィリジアン』を連載しています。
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「とにかく無理はしないでね。疲れたらいつでも言って」
「お前もだ、グレン」
 エストルが釘を刺すと、クレサックがくすくす笑った。
 扉が開いてベテラン部隊長のドマーニが入ってくる。
「クレサック将軍?」
 驚いた表情のドマーニに気づいてクレサックは手を握りに行った。
「いやあ、ドマーニ。元気そうじゃないか」
「クレサック将軍……こんなところでお目にかかれるなんて」
 二人は昔話に花を咲かせた。その後も部隊長たちが次々と到着して、その中でクレサックが王騎士だった時代から続けている者たちがその輪に加わった。
 最後に到着したのはソフィアだった。開始時間五分前だった。
「クレサック将軍、なぜここに?」
 ソフィアも驚いた顔で声をかけた。
「ソフィアか。すっかり王騎士らしくなったな」
 一言二言言葉を交わすと、ソフィアの表情に安堵感が表れた。きっと昔もソフィアにとってクレサックは頼れる先輩王騎士だったのだろうとグレンは思った。
「そろそろ始めようか」
 エストルが優雅な動作で席を立つ。全員それぞれの席に戻って着席する。エストルはそれを確認するように一人一人の顔をぐるりと目で一周しながら見渡した。端まで終わると、エストルは淀みない口調で話を始めた。
「ここに集まってもらったのは、ムーンホルンの現状とここに至るまでの経緯についてここにいる全員で確認を取るためだ」
 出席者たちの表情が少し緊張する。エストルも真剣な面持ちを崩すことなく続けた。
「これから話すことの中には、諸事情のため伏せていたこともいくつかある。信じられないようなこともあるかもしれないが、冷静に受け止めてもらえればと思う」
 エストルはちらりと横を見た。
「また、この話をするにあたって、何人か客人を迎えている。クレサックは、知っている者もいるだろう。他の二名もいずれ紹介する。そして、共に今後のことについて考えたいと思う」
 もう一度全員の顔を一通り見て一息つく。
「では、なるべく順を追って話したいと思う」
 何となくグレンの方を見る。グレンはエストルの視線に気がついて力強くうなずく。それを見るだけで気持ちが落ち着く。
 頼りっぱなしだ。
 エストルは心の中で苦笑した。

次回更新予定日:2017/02/18

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